家族にも理解されないうつ病の話 弟編

うつ病体験談
筆者撮影

私には3歳年下の弟がいます。

小さいころから仲が良く二人でご飯を食べに行ったりゲームをして遊んだりしていました。
身長・体重もほぼ同じなので友人や家族から頻繁に間違えられていました。

双子と言われるくらい「瓜二つ」で仲良しだった弟と今年の6月にある出来事があってイライラが爆発して以来、2カ月以上会って話をしていません。

「イライラしてしまった弟の行動」「私の弟に対して思っている感情」についてお話していきたいと思います。

記事のポイント
  • 弟のちょっとした行動が積み重なって怒りが爆発してしまった。
  • 「頼られるお兄ちゃん」であろうと虚勢を張っていた。
  • 社会復帰を先に進む弟が羨ましくて妬ましくもあった。
  • 素のままの自分を受け入れ、思っていることを弟話し合おうと思った。

うつ病の症状がひどい時は長い文字を読むのがしんどいと思うのでまとめだけでも読んでってください

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イライラしてしまう弟の行動

弟の性格

弟は昔から「のほほんとした性格」で周りのことをあまり気にせず「わが道を行く」って気質の人でした。

小学生のころに運動場の落ち葉で昼寝してたことや終わりの会が終わる前に帰宅したことなど色々武勇伝を持ってます。

年齢が上がるにつれてこの心の気質について本人も気にするようになっていったようですが、高校・大学では友人に恵まれ心のクセを受け入れむしろ個性として尊重してもらっていました。

イライラが爆発してしまったきっかけ

弟は良く言えば「わが道を行く」性格、悪く言えば「空気の読めない」性格です。
うつ病になるまでは普通に私も受け入れることができたのですが病気になって以後、この心のクセが気になるようになり不快に思うことも出てきました

例えばうつ症状が重くて横になっている時や機嫌が悪い時に声をかけてきたりってことがしょっちゅうありました。

他には扉を勢いよく閉めて大きな音を出したり、階段を勢いよく降りてドカドカ振動を起こしたり、大きな音や振動がきつく感じる私にとって大きなストレスになっていました。

こういったことが日常的に積み重なって遂にイライラが爆発してしまいました。

きっかけは些細なことでして、大好きなゲームをやってる時に横から口を出されゲームのネタバレをされたことで集中が切れてゲームを楽しめなくなったことからブチ切れました。

普通の人からしたら「ちょっとしたことで切れるのおかしいんじゃないか」って思うかもしれません。
しかしうつ病になってから心の起伏が激しく感情のコントロールが難しくなりました。
また、この一件以降ネタバレを受けたゲームをやる度に怒ってしまった時のことを思い出してしまい、私の数少ない楽しみであったゲームが楽しめなくなったという経緯があります。

それから弟と会うと苛立ちを覚えるようになりお互いのことを考えて会うのを控えるようになりました。

私の弟に対して思っている感情

頼られるお兄ちゃん

私は昔から「人に頼られる」のが好きでした。
友達よりも少し勉強やゲームが得意だったため、数学や英語の勉強を教えたりゲームの攻略情報を交換したり、友達が笑顔になるためなら自分のできることは何でもするって感じの人間でした。

弟に対しても同様で勉強でわからないことがあればダジャレや図を使ってわかりやすく教えたり、ゲームで難しい所があってクリアできないと頼られれば代わりにクリアしたり、と「頼られるお兄ちゃん」であろうとしました。

でもうつ病になってからは「無気力で横になるしかない」「前までニコニコ笑えていたのに感情の起伏が激しくなった」「音や振動に敏感になった」といった症状が現れ、自分の弱いところを弟に見られたくないと思うようになりました。

弟は性格的に全然そんなことを気にするような人ではないのですが、「病気でしんどいところを見せないようにしよう」と勝手に虚勢を張って「頼られるお兄ちゃん」というイメージを崩さないようにしてきました。

今から考えるとゲームをしている時に横から話しかけてきたのは、お兄ちゃんを頼りにしていたからかもしれません。
結局、勝手にハードルを上げて自分で自分の首を絞めていただけなんだと思います。

無理に今の自分を良く見せるのではなく、素のままの私を表現する方が私のメンタルにとっても弟の関係性を保つ上でも大切なのだと思いました。

羨ましさと妬み

私が4年前に過労で倒れた春に弟は就職しました。
しかし詳細は省きますが半年もしないうちに会社を辞めることになり今は就業支援を受けています。

弟が果物狩りやキャンプに行ったり企業で就業訓練を受けていることに対し、外に出ることが難しい私は羨ましいなと思う一方で心のどこかで妬みの気持ちを抱くようになっていました。

以前の記事で書いたように今の私は「臭いに超敏感」「広場恐怖症」「希死念慮」があって、就業支援はもってのほか外出すら難しい状況にあります。

弟自身も苦労と葛藤があり中々支援先に行けない時がありました。
間近で見ていただけに企業で就業訓練に行けるまでなった弟の成長がわかる一方で、何もできず前進できていない今の自分の状況がより一層際立って自分を惨めに感じていました。

前向きに活動している弟の頑張りを素直に喜べないでいる大人げない自分に恥ずかしさを覚えています。

ここまで自分の気持ちを整理してみて

うつ病に無理解で高圧的に接してきた父親と違い、弟の場合はうつ病を理解しようとしてくれてるけど上手く行動できず逆にイライラさせてしまっている感じです。

弟の不器用さはよく知っているので、どんな行動がよくてどんな行動が悪いのかを子細に話してもっとコミュニケーションをとっておくべきだったと思います。

少しでもしんどいことを共有しストレスを分散できていれば今回のように怒りが爆発することはなかったのかもしれません。

後は私の心の問題。

「今の何もできない自分を受け入れる」そして「気取らずに素のままの私でいいんだと許してあげる」
これが今の「お兄ちゃん」の姿
か弱くてとても頼れるような状態ではないけど、いつか元気になってまた別の形の「お兄ちゃん」を見せたいと思います。

とにかくまずは自分の鬱の症状を弟としっかり話したいと思います。
そして就業支援を先に受けていて羨まさと妬ましさの気持ちを持っていることを正直に話したいです。

弟と仲直りができたらまた一緒にBBQをして美味しいお肉を食べたいなって思います。

【21年9月20日追記】

弟と仲直りできてBBQをしました。
「私のうつ病の症状」「気分が日によって激しく上下すること」「弟の出す大きな音や振動を不快に感じている」ことなどを直接伝えて、納得してもらいみんなでBBQを楽しめました。

詳しくは『弟と仲直りできたBBQ』の記事をご覧ください。

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